アントシアニンに関する研究
アントシアニンとは?
 アントシアニンとは、植物に広く含まれている色素の1種です。ムラサキキャベツやムラサキイモなどはアントシアニンが多く含まれており、ご存知の方も多いのではないでしょうか。秋の美しい紅葉もアントシアニンの色によるものだそうです。
 アントシアニンは、小学校などでpH指示薬として用いられることがありますが、私たちは図1のようにpHを変化させると不可逆的な色の変化をすることに興味をもって研究を行いました。
 また、アントシアニンの呈色は、時間が経過すると退色するという性質があり、これについても研究を行いました。
図1
赤色は同じ経路か?
 赤色の部分は2つの経路(矢印)で同じに見えます。そこで、図2のような実験装置を製作し、赤色に変化するpHをpKaとして扱い、2つの経路でpKaを比較しました。その結果、2つの経路は最終的に同じ物質になるが、別々のものであると分かりました。
 その結果、図3のような変化をすると結論付けました。(AH+はフラビリウムイオン、Aはアンヒドロ塩基、A−はアンヒドロ塩基アニオン、AOHはプソイド塩基、Ccはシスカルコン、Ctはトランスカルコン、?の部分は未解明)
図2図3
図2
図3
pHごとに退職の速度に違いはあるのか?
図4-1図4-2
図4-3図4-4
図4-5図4-6
図4-7図4-8
抽出直後
1時間後
22時間後
(左) 抽出後のアントシアニン
上から、抽出直後、1時間後、22時間後
 アントシアニンは中性条件下ならば紫色から無色に退色する性質をもっています。これまでの実験からpHごとに退色しやすいものとしにくいものがあることがわかっていたので、様々なpHのアントシアニン溶液を用意し、退色を比較しました。
 その結果、図4よりアントシアニンはpHにより退色速度が異なり、特に、赤色、青色、黄色では退色しにくいと結論づけました。
図4
デンプンは退色を抑制するのか?
 私達は教材として市販されている紫キャベツ粉末の成分にデンプン(デキストリン)が含まれていることを知り、デンプンに退色抑制効果があるのではないかという仮説を立てました。この仮説を検証するために、デンプンを溶かした純水と何も加えない純水でアントシアニンを抽出し、比較しました。(実験a)
 結果、図5のようになりました。デンプンを加えたものは退色を抑制したように見えましたが、データのばらつきが大きかったので、実験にかかる時間をそろえた実験bを行いました。

 結果、図6よりデンプンによるアントシアニンの退色抑制効果は見られませんでした。
図5
図6
上:図5 下:図6
金属イオンは退色を抑制するのか?
図7-1図7-2
図7-3図7-4
 私達は先行研究からデンプン以外にも金属イオンが退色を抑制する可能性があることも知り、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、塩化アルミニウムをアントシアニン溶液中で1mMとなるように吸光スペクトルを測定しました。

 結果は図7のようになり、今回の実験で使用した金属イオンにはアントシアニンの退色抑制効果は見られませんでした。
図7

参考文献: 『紅葉のしくみ-その観察と実験』http://www2.tokai.or.jp/seed/seed/seibutsu12.htm
Fernando Pina and Luis C. Branco,InTech- Photochromism_in_ionic_liquids_theory_and_applications,2011,P138〜165

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